不動産鑑定士って何?どんな仕事してるの?
以前のブログで、「今年は不動産鑑定士の短答式試験を受験します!」
と書いたのを覚えていらっしゃいますでしょうか?
私TAKU、短答式試験に無事合格しました。
Taku
せっかくなので論文式試験も受けてみることにしました!
大阪の受験会場は短答式試験と同じ天満研修センター。
受験料払ってるしな…。
Taku
受験料は一括払いなので、短答の合否を確認してから論文試験を追加で払うようなことはできません。
もっと悲しいのは短答試験に不合格でも、受験料の返金はないことです。
受験料は、13,000円。
13,000円!
Taku
受付の電光掲示板に試験会場が表示されていました。
部屋の前には座席表。
試験会場は2部屋あったので、大阪会場だけで300人くらいの方が受験されたようです。
でも、試験開始後もいくつか空席があったので、実際の受験者数は少し減りそう…。
論文試験の初日は民法から!
と、試験の話はここら辺にして本題に。
皆さん、不動産鑑定士ってご存知ですか?
ゲストハウスMATSUの1階の共有リビングでテキストを開いていると、
一度だけゲストさんに「鑑定士の勉強してるんですか?」と声をかけられたことがあります。
その方は、前に商社に勤めていて土地の仕入れなどをされていたそうです。
不動産関連の仕事をしていないと、なかなか知る機会のないマイナー資格ですよね。
今回は、そんな「不動産鑑定士」について少しご紹介します。
不動産鑑定士とは?
「不動産の鑑定評価に関する法律」に基づく国家資格の一つで、不動産の経済価値を調査する専門家です。
そして、不動産の経済価値を判定し、その結果を価額(=価格)で表すことを「不動産の鑑定評価」といいます。
不動産鑑定士試験に合格するだけでなく、研修などを終えた後でないと不動産鑑定士として登録はできません。
鑑定士と鑑定業者の違い
「不動産鑑定業」を行うためには「不動産鑑定業者」の登録を受けなければなりません。
「不動産鑑定業」とは”自ら行うと他人を使用して行うとを問わず、他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うこと”です。
簡単に言うと「業者の登録をせずに、自分でするか、他人を雇ってするかは関係なく、お客さんの依頼で不動産の鑑定評価をやって報酬をもらう仕事をしてはいけない」ということです。
「不動産鑑定業」を始めるには、国土交通省または都道府県に備える不動産鑑定業者登録簿に登録を受けなければならず、また、不動産鑑定業者の事務所には、専任の不動産鑑定士を1名以上置かなければなりません。
つまり、不動産鑑定業は誰でも出来ますが、社内に(支店がたくさんある場合にはそれぞれの支店に)1人は不動産鑑定士が必要ということです。
不動産鑑定士が独立開業する場合にも不動産鑑定業に該当するので、業者登録が必要になります。
業者登録は会社の登録、不動産鑑定士は会社で働く個人の資格というイメージでしょうか。
会社が不動産の鑑定評価の仕事を受注し、実際に鑑定評価を行うのは社員である不動産鑑定士になります。
不動産鑑定士の仕事
不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士の独占業務とされています。
「独占業務」とは、資格を持っている人だけが行うことのできる仕事(業務)です。
そのため、不動産鑑定士以外の人が不動産の鑑定評価を行えば、処罰の対象となってしまいます。
不動産鑑定士は不動産の鑑定評価だけでなく、それに付随する不動産のコンサルティングなど様々な業務を行います。
身近なところでは、毎年3月下旬に発表される地価公示も不動産鑑定士の仕事です。
国土交通省からの依頼で、地価公示法に基づく標準地の鑑定評価を不動産鑑定士が行っています。
不動産鑑定士試験
短答式試験
短答式試験は、5月中旬の日曜日に北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の10か所で行われます。
受験資格は不要なので、学歴・年齢に関係なく誰でも受験することができます。
試験科目は不動産に関する行政法規、不動産の鑑定評価に関する理論の2科目で、それぞれ2時間の試験時間に40問ずつの五肢択一の試験です。
短答式試験の過去3年間の合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成28年 | 1,568名 | 511名 | 32.6% |
平成29年 | 1,613名 | 524名 | 32.5% |
平成30年 | 1,751名 | 584名 | 33.4% |
僕は今ここにいます。
Taku
論文式試験
論文式試験は、8月の第1日曜日を含む土・日・月の3日間で行われます。
試験会場は東京都、大阪府、福岡県の3か所です。
試験科目は、民法、会計学、経済学、不動産の鑑定評価に関する理論、不動産の鑑定評価に関する理論(演習)の5科目です。
民法、会計学、経済学はそれぞれ2時間ずつ、不動産の鑑定評価に関する理論は4時間、 不動産の鑑定評価に関する理論(演習)2時間で実施されます。
論文式試験は、4時間ずつ3日連続で計12時間かけて行われます。
論文式試験の過去3年間の合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成27年 | 706名 | 100名 | 14.2% |
平成28年 | 708名 | 103名 | 14.5% |
平成29年 | 733名 | 106名 | 14.5% |
じ、12時間かけて合格率15%以下…。
Taku
実務修習
論文式試験合格後に「実務修習」を受けることができます。
期間は1年・2年・3年コースがあり、選択可能です。
実務修習は講義・基本演習・実地演習の3つがあり、そのすべてにパスしないと、最終テストに進めません。
最終テストは事前に与えられたテーマについての論文提出と口述試験です。
まだまだ先は長い…。
Taku
ところで、それぞれ試験の合格率の表を見ると、短答式試験の合格者数より論文式試験の受験者数の方が多いですよね。
実は、短答式試験に合格すると、合格した年を含めて3年間、短答式試験が免除されるという特典があります。
そのため、論文式試験の受験者の中には前年、前々年の短答式試験に合格した方もいるんです。
1年で2つの試験に合格される方もいますが、1年目に短答式、2年目で論文式と計画的に勉強する方も多いそうです。
ちなみに論文式試験だけ受験しても、受験料は13,000円!
受験料を無駄にしないためにも受かりたいと思います!!